筆者らは、スウェーデン・韓国・中国の大学に通う日本語学習者(中級~上級)を対象に2012年の春学期より遠隔日本語交流を行っている。目的は、母語の異なる色々な学習者との交流を通して、互いの文化を学び、歩みよることである。筆者らは、交流会を通して、学習者が多様な場面に柔軟に対応し、文化間の仲介者となる力を育成したいと考えた。本稿では、この交流会が留学経験のない学習者に異文化接触の機会を提供しているかどうかに焦点を当て、彼らがどのように交流会を体験し、何を学んだか、作文、アンケート、フォローアップインタビューから明らかにする。また、日本語を母語としない人々が日本に多数移住する昨今、日本語母語話者が、交流会を通してこの異文化接触の機会をどう受け止めたのかについても検証する。